岩槻秀明/著  秀和システム/刊
気象光学に関する広範な問題を取り上げ、その理論を基礎から展開

図解入門 最新 気象学のキホンがよ〜くわかる本 第2版

(BK-22166)

全国各地のケーブルテレビでお天気キャスターとして活躍した著者が書いた、気象学のわかりやすい入門書です。空は青く雲は白いのはなぜか、天気はどうして西から東へかわるのか、集中豪雨はどのようにして発生するのか、さらに気象学を理解する上で重要な数式も丁寧に解説しており、気象学の基礎が余さずわかります。さらに「温位を計算してみる」「テテンの実験式」「密度と比容」「成層圏の南北循環」など、興味深いコラムも満載です。気象予報士を目指す人はもちろん、農業、船舶、報道、防災関連の仕事に関わる・関わりたいと考えている人、気象学を学びたいと考えているすべての人におすすめの「気象学の教科書」です。
目次

第1章 太陽と地球
1-1 太陽の概要とエネルギー源
●太陽の構造
●太陽の大きさと地球からの距離
●太陽のエネルギー源
●太陽内のエネルギーの伝達

1-2 太陽系の惑星
太陽の周りを回る星たち
●太陽系の惑星
●地球型惑星と木星型惑星
●地球型惑星の種類と特徴
●木星型惑星の種類と特徴
●太陽系を構成する天体

1-3 地球のまわりをまわる月
地球の唯一の衛星
●月の大きさと地球からの距離
●月の表面の環境
●月の自転と公転

第2章 大気の鉛直構造
2-1 地球大気の構造
空はどこまで続いているのか
●大気組成からみる地球大気の構造 【コラム】地球に酸素があるのはなぜか?
●気温分布からみる大気の構造 【コラム】地球大気のできるまで

2-2 対流圏と成層圏
天気の変化はどこで起こるのか
●対流圏内の気温変化 【コラム】気温減率6.5℃/kmの算出方法
●対流圏の特徴
●対流圏と成層圏の境目
●成層圏の気温変化
●成層圏の特徴

2-3 オゾン層とオゾンホール
オゾン層はなぜ必要なのか
●オゾン層
●オゾン層はどうやってできるのか
●オゾンの循環
●オゾンの役目と紫外線 【コラム】紫外線の種類とUVカット商品
●オゾンホール
●オゾン層破壊のメカニズム
●極域成層圏雲とオゾンホール

2-4 中間圏・熱圏・外気圏
オゾン層の上から宇宙空間の境目まで
●成層圏界面
●中間圏 【コラム】極大と極小
●絶対温度の考え方
●熱圏の世界
●電離層
●デリンジャー現象 【コラム】太陽風とバン・アレン帯
●熱圏で見られる夜光雲とオーロラ
●外気圏の世界 【コラム】脱出速度の算出方法

第3章 熱力学の考え方の基礎
3-1 熱力学に入る前に
基本的な用語の確認をする
●熱力学の世界へ
●空気の正体とは 【コラム】原子と分子
●気体の体積
●気体の温度
●気体の圧力
●空気塊という考え方

3-2 ボイル・シャルルの法則と状態方程式
気体の体積・圧力・温度の関係を探る
●ボイルの法則
●ボイルの法則の数式表現
●シャルルの法則
●シャルルの法則の数式表現
●ボイル・シャルルの法則
●アボガドロの定数と物質量
●アボガドロの法則
●そして、気体の状態方程式へ

3-3 静力学平衡と非静力学平衡
なぜ空気は空中にとどまっていられるのか
●鉛直方向・水平方向
●静力学平衡の状態
●鉛直方向の気圧傾度力
●静力学平衡の式
●積乱雲と非静力学モデル

3-4 熱力学の第一法則
気体を加熱したときのエネルギー関係
●力学的エネルギーと仕事
●内部エネルギー
●熱力学の第一法則
●比熱
●定容比熱と定圧比熱 【コラム】1K上昇と1℃上昇

3-5 乾燥断熱変化
乾燥空気を圧縮・膨張させたときの温度変化
●断熱変化
●断熱圧縮
●断熱膨張
●乾燥断熱減率

3-6 水の相変化
なぜ氷を温めると融けるのか
●物質の三態
●水の三態と状態変化
●状態変化とエネルギー
●潜熱と顕熱 【コラム】潜熱の吸収と打ち水、湯冷め

3-7 湿潤断熱変化
雲はどのようにしてできるのか
●飽和と凝結
●湿潤空気の断熱変化
●雲の発生メカニズム 【コラム】雲を作る実験
●乾燥断熱線と湿潤断熱線
●実際の大気の断熱変化

3-8 温位
高度の異なる2つの空気塊の暖かさを比較
●空気塊A,Bを比較する
●温位という単位の導入 【コラム】温位を計算してみる
●温位の保存
●温位と温度の関係

3-9 相当温位と湿舌
大雨になる可能性について調べてみる
●相当温位 【コラム】相当温位の計算
●温位と相当温位の関係
●相当温位の読み方

3-10 フェーン現象
風が山を吹き降りるときの気温変化
●山越えの風とは
●空気塊の下降と断熱圧縮
●山越えの風の気温変化
●フェーン現象 【コラム】湿ったフェーンと乾いたフェーン

第4章 水蒸気量の表現方法

4-1 水蒸気圧
水蒸気の圧力を数値化する
●ドルトンの分圧の法則
●水蒸気圧と水蒸気量の関係
●飽和水蒸気圧と温度の関係
●気液平衡 【コラム】テテンの実験式

4-2 混合比と比湿
水蒸気と空気の質量の比率
●混合比
●比湿
●飽和した空気の混合比と比湿
●混合比と水蒸気量などの関係 【コラム】混合比と水蒸気圧の関係

4-3 相対湿度
一番身近な水蒸気の表現方法
●相対湿度とは
●相対湿度の計算式
●相対湿度の応用
●絶対湿度と実効湿度 【コラム】湿度0%の世界

4-4 露点温度と湿数
なぜ結露ができるのか
●結露とはどんな現象か
●結露の成因と露点温度
●湿数という概念
●天気予報現場での湿数

4-5 湿度の測定
乾湿計による湿度の測定法
●乾湿計
●乾湿計から湿度を算出
●湿球が凍っている場合
●湿度の測定機器のいろいろ

4-6 可降水量
大気中の水蒸気がすべて雨になったら?
●可降水量の考え方 【コラム】密度と比容

第5章 雷雲の発生しやすさを調べる
5-1 積乱雲と積雲対流
夏の入道雲はどうやってできるのか
●対流
●空気の対流と積乱雲
●積雲対流
●アルキメデスの原理と浮力

5-2 「大気の安定度」の基本的考え方
大気が不安定とはどんな状態を指すのか
●大気の安定・不安定とは
●気温分布と安定度
●空気塊が上昇し続ける条件
●状態曲線と安定度

5-3 乾燥大気の安定度
大気の安定度を判定する(その1)
●乾燥大気における空気塊の上昇
●絶対不安定のパターン
●絶対安定のパターン
●中立のパターン
●まとめ 【コラム】雲が対流圏界面を突破できない理由

5-4 湿潤大気の安定度
大気の安定度を判定する(その2)
●湿潤大気における空気塊の上昇
●湿潤断熱線と乾燥断熱線の関係
●絶対不安定
●絶対安定
●条件付不安定

5-5 対流不安定
相当温位でみる大気の安定度
●対流不安定
●対流不安定で雷雲が発達する理由

5-6 エマグラム
大気の安定度を調べるための天気図
●エマグラムの概略
●気温と露点、湿数の分布
●エマグラムの目盛り

5-7 エマグラムにみる積雲対流
雲の発生高度を知る
●持ち上げ凝結高度(LCL) 【コラム】対流凝結高度(CCL)
●自由対流高度(LFC)と中立浮力高度(LNB)【コラム】エントレーメント

5-8 ショワルター安定指数
雷雨の起こりやすさを知る(その1)
●ショワルター安定指数の求めかた
●ショワルター安定指数の符号
●エマグラム上におけるSSI

5-9 CAPEとCIN
雷雨の起こりやすさを知る(その2)
●CAPEとCIN
●対流抑制(CIN)
●対流有効位置エネルギー(CAPE)
●レイテント不安定

5-10 逆転層
高度とともに気温の高くなる層
●逆転層とは
●接地逆転層
●移流逆転層
●沈降性逆転層 【コラム】日本の最高気温40.9℃

第6章 降水過程

6-1 エアロゾル
空気中に浮かぶ微粒子のいろいろ
●エアロゾルはどこからくるのか【コラム】黄砂
●エアロゾルの大きさ
●雲の発生に関係するエアロゾル
6-2 水滴の生成と凝結核
雲ができるのに凝結核が必要な理由
●過飽和【コラム】過飽和度
●水滴の生成と表面張力
●凝結核の役目【コラム】飽和水蒸気量と水滴
6-3 暖かい雲の降水過程
熱帯地方における雨
●「暖かい雲」と「冷たい雲」
●暖かい雲の生成?拡散過程【コラム】スコール
●暖かい雨?併合過程
●雨粒の終末速度
●終末速度の計算方法
●雨粒はどこまで大きくなれるのか
6-4 冷たい雲の降水過程(1)
日本付近での雲のできかた
●過冷却の水滴【コラム】着氷
●氷晶のできる様子
●氷晶の自己増殖作用
6-5 冷たい雲の降水過程(2)
日本付近での雨、雪のメカニズム
●雨と雪【コラム】冬季太平洋側の雨雪判別
●雪の結晶のできかた
●ぼたん雪
●あられのできかた
●ひょう
6-6 雲の分類
空に浮かぶ雲にもそれぞれ名前がある
●雲の分類の歴史
●雲の分類法
●10種雲形
●上層雲
●中層雲
●下層雲
●対流雲
6-7 霧の種類と成因
霧はどうやって発生するのか
●「霧」と「もや」【コラム】霧による災害と注意報
●放射霧
●移流霧
●蒸気霧
●前線霧
●上昇霧【コラム】霧虹
6-8 天気のいろいろ
天気にはどのような種類があるのか
●晴れとくもりの境目
●雨と雪
●氷の降る現象
●見通しの悪くなる現象

第7章 大気における放射
7-1 太陽放射の波長域
太陽エネルギーの正体はなにか
●太陽放射と天気の変化
●電磁波とは
●太陽エネルギーの正体
●太陽エネルギーの強さ
7-2 自転軸の傾きと太陽放射
なぜ夏は暑く冬は寒いのか
●地面へ降り注ぐ太陽エネルギー【コラム】三角比
●太陽の差し込む角度とエネルギーの強さ
●地軸の傾きと自転・公転
●季節の変化と地球の公転【コラム】近日点と遠日点
7-3 黒体放射と諸法則
「放射」に関する基礎知識
●物体に色が付いてみえる理由
●黒体とは
●黒体放射とキルヒホッフの法則
●ステファン・ボルツマンの法則【コラム】黒体放射の概念と気象衛星/プランクの法則
7-4 地球放射と太陽放射
なぜ朝の冷え込みは起こるのか
●ウィーンの変位則
●地球放射と太陽放射
●太陽放射と地球放射の強さの関係
●放射冷却
7-5 アルベド
なぜ雪はなかなか融けないのか
●アルベド
●アルベドの数値【コラム】根開き
7-6 散乱
なぜ空は青く雲は白いのか
●散乱とは
●空が青い理由
●雲が白い理由【コラム】白い雲と灰色の雲
●虹
7-7 大気の層によるエネルギーの減衰
大気に入射した放射エネルギーのゆくえ
●大気に降り注いだ太陽エネルギー
●大気の層が太陽エネルギーを弱める過程【コラム】距離の逆2乗則による減衰
7-8 大気光象
虹やハロなどの光の現象
●主な大気光象の種類と原因
●虹の種類
●彩雲と光環
●ハロの種類と出現位置
●夜間の大気光象
7-9 温室効果ガス
なぜCO2は悪者にされるのか
●大気による太陽放射の吸収
●大気による地球放射の吸収
7-10 放射エネルギーの収支バランス
太陽放射と地球放射のバランスについて
●放射収支
●具体的な放射収支のバランス
●水蒸気による熱輸送
●放射対流平衡

第8章 大気力学
8-1 大気力学の基礎知識
大気の動きを考えるのに必要な概念
●気圧
●ベクトルとスカラー
●力のベクトル
●力の合成と分解
●風の成分分解とz座標系
●力のつりあい
8-2 等圧線と地上天気図
地上天気図に引かれた線はなにか
●地上天気図
●地上天気図に書かれている記号
●等圧線
8-3 等高度線と高層天気図
高層天気図の線は等圧線ではない
●高層天気図
●p座標系と等高度線
●等高度線と等圧線の対応
●層厚
8-4 高気圧と低気圧
高気圧や低気圧とはなにか
●高気圧と風の流れ
●温暖高気圧と寒冷高気圧
●低気圧と風の流れ
●リッジとトラフ
●ボイス・バロットの法則
8-5 気圧傾度と気圧傾度力
風はどうやって発生するのか
●風はどうして吹くのか
●風が強く吹く条件
8-6 地球の自転とコリオリ力
地球の自転が風に与える影響
●コリオリ力
●コリオリ力の「向き」
●コリオリ力の大きさ
8-7 地衡風
上空における風の吹き方
●上空の風の流れ
●地衡風
●地衡風の数式表現
●高層天気図での地衡風算出
8-8 傾度風
台風や発達した低気圧での風の吹き方
●遠心力
●高気圧性と低気圧性
●傾度風
●傾度風の数式表現【コラム】竜巻と旋衡風
8-9 摩擦力の影響
地上付近の風の流れ
●摩擦力による風向・風速の変化
●大気境界層
●乱渦とエネルギー輸送
8-10 温度風
地衡風の高度による変化
●鉛直シアと温度風
●温度風の関係
8-11 発散と収束
風が散らばる場所、風が集まる場所
●発散
●収束
●収束・発散と上昇気流・下降気流
●方向発散と速度発散8-12 渦度
風の回転成分
●正渦度と負渦度
●渦度と天気図
●強風軸と渦度ゼロ線
●絶対渦度
●惑星渦度
●絶対渦度の保存則
8-13 温度移流
暖かい風と冷たい風
●温度移流のパターン
●温度移流の計算

第9章 大規模な大気運動
9-1 大気運動のスケール概念気象現象の規模を把握する
●水平スケール
●時間スケール
●水平スケールと時間スケールの関係
9-2 地球規模の南北方向の風の流れ
赤道付近が暑くなりすぎない理由
●地球の熱収支
●南北方向の熱輸送
●大気の循環による熱輸送
●フェレル循環【コラム】成層圏の南北循環
●海洋による熱輸送
●潜熱による熱輸送
9-3 地球規模の東西方向の風の流れ
偏西風・貿易風
●貿易風と熱帯収束帯【コラム】馬の緯度
●偏西風
●ジェット気流
9-4 日本付近の季節風
なぜ冬には北風が吹くのか
●季節風
●夏の季節風
●冬の季節風
9-5 プラネタリー波と傾圧不安定波
天気の周期変化が起きる原因
●偏西風の波動
●傾圧大気と順圧大気
9-6 温帯低気圧
日本付近での雨の主因
●天気図上の温帯低気圧
●温帯低気圧の構造モデル
●温帯低気圧の中で雨が降る場所
●温帯低気圧の一生
9-7 日本付近の気団と性質
夏の空気と冬の空気
●気団
●気団の発源地
●気団の分類
●日本付近に影響を与える気団
9-8 前線の種類と仕組み
「前線」とはなにか
●前線とは
●温暖前線
●寒冷前線
●閉塞前線
●停滞前線【コラム】フロントジェネシスとフロントリシス

第10章 中小規模の大気運動
10-1 冬季の日本海側の雪
日本海側の雪はどのようにして降るのか
●冬型の気圧配置
●気団の変質
●ベナール型対流
●ロール状対流

●収束雲
●カルマン渦
10-2 雷雨
夏の夕立や激しい雷雨
●雷雲の一生
●気団性雷雨
●マルチセル型雷雨【コラム】スーパーセル型雷雨
10-3 集中豪雨
集中豪雨をもたらす雲とはなにか
●クラウドクラスター
●テーパリングクラウド
●地形効果による集中豪雨
10-4 海陸風
海岸地帯での風の流れ
●海陸風循環【コラム】環八雲
10-5 局地風のいろいろ
地形によるさまざまな風
●山風と谷風
●山岳波とローター
●だし
●おろし
●ビル風【コラム】舞台風
10-6 寒気を伴った低気圧
寒冷渦とポーラーロー
●寒気を伴った低気圧
●ポーラーローとコンマ型雲
10-7 台風
台風のしくみと特徴
●熱帯低気圧と台風
●台風の大きさと強さ
●台風の雲の構造
●台風内の風の流れ
●暖気核と温低化
●台風の進行方向
●可航半円と危険半円
10-8 CISK
台風の発達メカニズム
●台風のエネルギー源
●台風の暴風はどのように形成されるのか

第11章 日本の気候
11-1 気候という考えかた
天気・天候・気候は何がちがうのか
●天気と天候、気候のちがい
●気候の三大要素
●気温と気候因子
●風と気候因子
●降水量と気候因子【コラム】世界と日本の気温の記録11-2 気候分類の考えかた
気候の種類とその傾向を知る
●ケッペンの気候区分【コラム】ケッペンの気候区分と植生
●ケッペンの気候区分と日本列島
●日本の気候のおおまかな特徴
●日本海側と太平洋側の気候のちがい
●標高による気候のちがい
11-3 気候変動とその要因
気候に影響を与えるさまざまな要因
●気候変動の要因
●太陽活動と気候変動
●火山の噴火と気候変動
●エルニーニョとラニーニャ
●地球温暖化問題
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