激甚気象はなぜ起こる

激甚気象はなぜ起こる

(BK-24012)

坪木和久/著 398ページ


私たち日本人は、地球上で最も激しい気候の国に住んでいる!

豪雪が交通を分断し、竜巻が車を吹き飛ばす。夏は熱帯のような酷暑となり、台風が迷走、河川が氾濫し家々を押し流す。日本列島はここ数年、「これまで経験したことのない災害」に見舞われている。気象庁が「命にかかわる非常事態」と表現する激甚気象はなぜ起こるのか? 気象学の第一人者が最新の研究結果をもとに解き明かす。

目次
まえがき
第1章 繰り返される災いの年
災いの年/2004年の災害/寺田寅彦/2018年の災害/豪雪/平成30年7月豪雨――北海道の豪雨/関東甲信地方の早い梅雨明け/平成30年7月豪雨――西日本豪雨/猛暑/台風/地震と台風

第2章 なぜ日本は激甚気象が多いのか
日本の気候と気象災害/地球の風はなぜ吹くのか/中緯度は渦に満ちあふれている/大陸の東岸で低気圧は爆発する?/モンスーン/西太平洋は地球上で最強の熱帯低気圧の発生地域/なぜ豪雪が発生するのか/コリオリ力/積乱雲は左巻き/日本は竜巻の多発地帯

第3章 高気圧はなぜ猛暑をもたらすのか
高気圧がもたらす災害的な猛暑/太平洋高気圧のもう一つの役割――豪雨や台風への影響/高気圧とは何か/地上付近の気温を上げるものは何か/気圧とは何か/温位とは何か

第4章 水蒸気がもたらす大気の不安定
大気が不安定とはどういうことか/潜む熱/水蒸気とは何か/積乱雲はなぜ突発的に発生するのか/大気の不安定を判別する相当温位

第5章 豪雨はなぜ発生するのか
大気の河/積乱雲の中で何が起こっているのか/雨を観測する装置、レーダ/積乱雲のもたらす/もっと速く、もっと早くのために/集中豪雨/線状降水帯/地形性の線状降水帯

第6章 台風
台風の統計的特徴/台風の構造とメカニズム/台風がもたらす災害/なぜ台風の眼を目指すのか/はじめて日本の航空機が台風を観測/次の課題――伊勢湾台風と狩野川台風/さらに困難な問題の解明に向けて――二重眼/連続する台風の災害/台風に伴う竜巻/台風の温帯低気圧化/台風を人工制御することは可能か

第7章 激甚気象は予測できるか
バック・トゥ・ザ・フューチャー/リチャードソンの夢/微分と積分/決定論的世界観/行く河の流れは絶えずして/なぜこの方程式は解けないのか/コンピュータは解けるか/リチャードソンの計算はなぜうまくいかなかったのか/気象のシミュレーション/予報できる豪雨と予報できない豪雨/台風の数値シミュレーション/竜巻の数値シミュレーション/アンサンブル予報

第8章 地球温暖化と気象災害
グレタ・トゥンベリさんの衝撃/指数関数的増大/地球の気温はどのように決まるのか/地球温暖化とは何か/温暖化により起こること/比べられないものを比べる/スーパー台風は日本に上陸するか

第9章 激甚気象から命を守るために
沖縄から学ぶべきこと/いかに避難するか/防災の考え方の大転換/ハザードマップ――不完全だが不可欠/大規模広域避難/タイムライン/忘れない
あとがき
参考文献・資料

 

 

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