天気図と気象の本 -天気図を見るとき読むとき書くとき-

天気図と気象の本 -天気図を見るとき読むとき書くとき-

(BK-44003)

宮澤清治/著  国際地学協会/刊


推薦のことば
ロングセラー的色彩を持った”天気図と気象の本” 新田次郎

気象学の本や気象学の一般的解説書は多い。数え上げたら100冊ぐらいにはなるだろう。中でも気象学を一般書として分かり易く書いたものは多い。それぞれ特徴があってどれが良くてどれが悪いというものはなかった。私が見る目には、それぞれちゃんとした出来栄えであった。ところがこの種の本がロングセラーとなったためしがない。多くは初版でおしまいである。改訂版がそろそろ出てもいい頃だと思っているうちに、別の人がまた新しい本を出版するのがいままでのしきたりだった。何故であろうか。その答えは簡単である。国民は一人残らず気象学や気象現象に興味を持っていて、それが書いてある本を求めている。座右の書としたいと思っている人が多い。ところがいままで出版されたものはそれぞれ良いものだったが、どこかに食い足らないものがあった。その不満感がこの種の本がロングセラーになることをはばんだ最大の理由であった。 宮澤清治氏が今回世に出した”天気図と気象の本”は、いままでこの種の本に書かれていなかったようなことまでを余さず網羅している。例えば集中豪雨禍や落雷の防止法にいたるまで、かゆいところに手が届くように書いてある。
読んでいて、この構成の見事さに拍手喝采したいような気持ちになった。これは長年の間、著者が気象庁天気相談所長として国民の前に立っていたからであろう。一般の人々が気象庁にどういうことを望み、また気象学的常識として、何を勉強したらいいか、またなにを知りたがっているかをよく心得たヒでこの本を書いたからであろう。むずかしい気象学や天気図を平易な言葉で分かり易く書いた文章は専門学を超えた文学的説得力がある。
これは国民の必携すべき気象学の解説書であり、いままで数々出版された気象学解説書の中で、これこそまさにロングセラー的内容を持った決定版である。おそらく本書は年毎に補稿改訂を加えて末長く出版されて行くであろう。
私は本書を広く此処に推薦することを無上の光栄とするものである。

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