応用気象学シリーズ4 豪雨・豪雪の気象学

応用気象学シリーズ4 豪雨・豪雪の気象学

(BK-25012)

吉崎正憲・加藤輝之/著 朝倉書店/刊 A5判 196p


日本に多くの被害をもたらす豪雨・豪雪は積乱雲によりもたらされる。本書は最新の数値モデルを駆使して,それらの複雑なメカニズムを解明する。〔内容〕乾燥・湿潤大気/降水過程/積乱雲/豪雨のメカニズム/豪雪のメカニズム/数値モデル。

目次

1. 豪雨・豪雪の形態
1.1 線状降水帯
1.2 熱雷や台風にともなう豪雨
2. 乾燥大気の対流-温位の導入-
2.1 理想気体の状態方程式
2.2 熱力学第1法則
2.3 静水圧平衡の式
2.4 乾燥大気における断熱過程-乾燥断熱減率
2.5 乾燥大気の安定性
3. 湿潤大気の対流-相当温位の導入-
3.1 水蒸気量を表す物理量
3.2 クラウジウス–クラペイロンの式,キルヒホフの式-飽和水蒸気量
3.3 湿潤大気における断熱過程-湿潤断熱減率
3.4 飽和相当温位の導出
3.5 相当温位の保存性
3.6 エマグラムと潜在不安定
3.7 対流不安定
3.8 積乱雲の潜在的発達高度
4. 降水過程
4.1 積乱雲の寿命
4.2 雲粒から雨粒への成長-雲物理過程
4.3 固相(雲氷・雪・あられ)を含まない雲物理過程のモデル化
4.4 降水の役割-感度実験
5. 積乱雲・メソスケール擾乱・大規模場の擾乱との関係
5.1 気象擾乱の空間・時間スケール
5.2 積乱雲にとっての環境場(鉛直シア)の役割
5.3 メソ対流系にとっての大規模場の擾乱の役割
5.4 積乱雲・メソ対流系・大規模場の擾乱からなる階層構造
5.5 積乱雲の移動を決める要因
6. 梅雨期の豪雨
6.1 梅雨前線帯の特徴
6.2 梅雨前線帯の成層構造
6.3 梅雨期の積乱雲の潜在的発達高度
6.4 梅雨期前半・後半での豪雨の具体例
6.5 早朝に多い豪雨-降雨の日変化
7. 豪雨のメカニズム-バックビルディング型豪雨-
7.1 豪雨の発生機構
7.2 メソ対流系の停滞機構
7.3 メソ対流系の維持機構
7.4 バックビルディング型豪雨
7.5 地形性豪雨
8. 豪雨と乾燥大気
8.1 気象衛星からみた乾燥大気の侵入
8.2 中層の乾燥大気の役割
9. 冬季日本海側の豪雪
9.1 冬季日本付近での大気の特徴
9.2 日本海上における気団変質
9.3 寒気流入と等温位面渦位
9.4 山雪型豪雪と里雪型豪雪
10. 豪雪をもたらすメソスケール擾乱
10.1 日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)および近傍に発生する擾乱
10.2 日本海沿岸にみられる降雪バンド
11. 数値モデルによる豪雨・豪雪の再現に必要なもの
11.1 豪雨・豪雪の再現に必要な数値モデルの水平分解能
11.2 豪雨・豪雪の再現に必要なデータ

A-1 本書で用いた記号の意味・単位,定数と略語
A-2 流体中での対流の発生
A-3 温位および相当温位の保存性を用いた効率的な凝結高度,湿潤断熱線上の温位の算出方法
A-4 非静力学雲解像モデル
A-5 見かけの熱源と見かけの水蒸気減少

文献
索引

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