地球環境の心臓　赤道大気の鼓動を聴く

深尾 昌一郎/著　クバプロ/刊　B5判　186p

赤道域は地球上でもっとも積雲による対流活動が活発で、ここで起こされる各種の大気攪乱は地表近くから高度数百kmにまで影響を及ぼし、地球規模の気候・環境変動と直接結びついている。この重要な積雲対流活動について、世界にさきがけ、京都大学が観測拠点を設置して長期観測を行ってきた。そこで明らかになった赤道大気の鼓動、最新の成果を、視覚的にもわかりやすく解説する。

目次
開会挨拶
深尾　昌一郎
京都大学名誉教授／東海大学総合科学技術研究所

基調講演
赤道大気の鼓動を聴く―私たちの挑戦
深尾 昌一郎　京都大学名誉教授／東海大学総合科学技術研究所

セッション 1　電波と光で赤道大気を測る
赤道大気レーダーを使って大気波動を診る
山本 衛　京都大学生存圏研究所

赤道大気解明に役立つレーザーレーダー長澤 親生　首都大学東京大学院システムデザイン研究科

招待講演1
インド洋に現れる大気海洋相互作用と地球環境のかかわり
山形 俊男　東京大学大学院理学系研究科

セッション 2　赤道大気中の波

赤道大気の長周期変動
津田 敏隆　京都大学生存圏研究所

並々ならぬ波の威力─上空に伝わる大気の波の主役中村 卓司　京都大学生存圏研究所

招待講演2
地球大気の物質輸送と環境変動
中島 映至　東京大学気候システム研究センター

セッション 3　赤道域の風・雨・雲・雷

大気を動かす熱帯の雨
高薮 縁　東京大学気候システム研究センター

単眼から複眼へ―分散レーダーでみる大気の微細構造
佐藤　亨　京都大学大学院情報学研究科

招待講演3
点を線に、線を面に―東南アジアの大気観測ネットワーク
山中 大学　海洋研究開発機構地球環境観測研究センター

セッション 4　赤道域の超高層大気

大気の鼓動がつくる超高層プラズマの乱れ
小川 忠彦　名古屋大学太陽地球環境研究所

カーナビを惑わす電離圏の変動
齊藤 昭則　京都大学大学院理学研究科

スマトラ大地震が引き起こした“大気の波”
大塚 雄一　名古屋大学太陽地球環境研究所

閉会挨拶
山本 衛　京都大学生存圏研究所